被害者参加制度で法の平等は守られるか
2008年12月から刑事裁判に導入された被害者参加制度。この制度に基づいた傷害事件の公判が、2009年1月28日行われたが、被害者が裁判に参加することで起きる様々な問題点が浮き彫りとなった。
問題点の1つは、法廷が「報復の場」となり得るということ。刑事事件で特に死亡者が出た場合などは、被告を前に憎しみが募り、冷静な意見陳述ができないという懸念は大いにある。実際に裁判の傍聴人から話を聞いたという『法と常識の狭間で考えよう』のブロガーも「被害者遺族の怒りが公判に充満し、まさに『報復』だと感じられるような法廷だったようである」と述べている。
もう1つは、裁判員が被害者感情に流されて、量刑に影響が出るのではないかということ。この問題は、5月から導入される裁判員制度にも大きな影響があると想定できる。これについてアメリカやドイツの事例をあげ、裁く側に「被害者の感情に左右されずに裁判に臨む」という冷静さが求められるのだというブロガーもいる(巷間哲学者の部屋)。
今までは事件の被害者でありながら刑事手続きの蚊帳の外におかれていた被害者。この制度で直接意見を陳述する機会が与えられ、一歩進展したことには間違いない。しかし一方で、被害者の辛い心情を余計傷つける可能性も高い。今後は弁護人、検察官、裁判所が被害者心理をしっかり配慮し、公正な立証・判決が行われるよう、制度の確立を望む。
(ひろ)
■参考サイト
法と常識の狭間で考えよう
巷間哲学者の部屋
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